2016年11月7日月曜日

末廣家/白楽

          
 皆さんこんにちは。くわしね会会長のキャプテン福田です。 
 今日は横浜の白楽にある末廣家さんにお伺いしました。
 それではレポートスタート!

 本日は所用で横浜に来た。東横線白楽駅から新横浜方面に歩いていたら、でっかい看板の家系(いえけい)ラーメン店を見かけた。
 私は基本的には家系には行かない。家系は豚骨醤油だからこってり系だ。私の年齢ではやや苦しくなって来ているのだ(=_=)
 若い頃は全般的にこってり系に魅かれる。ラーメンもこってりこてこてを好むものだ。スープもどろどろしていると嬉しい。箸が立つほどどろどろしていると、おー!すげぇ!俺が探してたのは正にこれなんだぁ!などと感動したりもしていた。
 しかし、いつしか私は「こってり」から距離を置くようになった。人生60年を過ぎ老境に差し掛かったということか。
 ううう、ゲホゲホ・・・。とちょっと咳込んでみたりする秋の夕暮れの心境である(-_-)

 しかしである。実は家系ラーメンには深い深い思い出があるのだ。30年も前の話だが、その頃私は東京日本橋の本店に勤務していた。毎週金曜日に、ある企業の工場を訪問していたのだが、それが横浜の新杉田にあったのだ。1985年頃だな、きっと。

 ある日行列が出来ているラーメン屋を見かけた。当時はラーメン屋の行列は珍しかった。丁度食事をしようと思っていたので並んで入ってみた。
 それが家系元祖発祥の店「吉村家」だったのである。まだ一店舗だけの頃で、未だ家系の夜明け前である。
 雑然とした感じの店で、いつも従業員を怒鳴りまくっている親父がいた。何か変な感じの店だなぁと思った。巨大な寸胴には様々な香味野菜がぶち込まれておりぐらぐら煮立っていた。当時のラーメン屋では見たこともない光景であった。
 スープを一口飲んで驚愕した( ゚Д゚)それまで一度も味わったことのない、濃厚かつ深い味わいだったのである。う、美味い・・・。
 麺も太麺でコシが強く、若い頃の私の好みにぴったりだった。
当時仕事のストレスからか胃が弱く、この店に行くと結構度々お腹を壊した。それでも私は覚悟の上で通い続けた。吉村家中毒になってしまったのだった。
 その後転勤などで行かなくなってしまったが、この店の強烈な記憶は深く胸に刻まれていた。

 時は流れ今や家系ラーメンは関東では誰もが知っている存在である。
 たまに入ってみることもあるが、私の記憶の味とは相当な乖離があった。スープが白すぎるのだ。豚骨が勝っているのか、どうも昔の吉村家の味とは違いしっくり来ないのだった。
 ところが、本日の末廣家は直系店と書いてあるではないか。
 そこで思い切って入ってみることにしたのである。

 こんな佇まい。
 吉村家直系店の文字が何だか神々しいぞ(^-^)
 平日の11時15分くらいでガラガラかと思いきや、何と店内は満員で外でしばらく待つことになり驚愕する。
 券売機でどうしたものかと迷う。みんなチャーシューメン800円を食しているようなので、それはすぐ決まったのだが、ライスを注文するかどうかが問題なのだ。
 家系においては、ライスを注文し、スープに浸した海苔を巻いて食べるとめっちゃ美味いのである。しかし、今は昔。それは過去の栄光だな(-_-)
 今の私は大盛りはおろか、中盛りでも躊躇するような有様だ。後ろ髪を引かれる思いながらライスを諦める。
 7~8分待って入店。オペレーションは4人。丁寧で勢いのある接客だ。
 5分ほどでチャーシューメン着丼。
 うおー!こりゃまたすごい!
 巨大なチャーシューが4枚も。巨大な海苔も3枚。そしてほうれん草も多めであり、圧倒的な迫力だ。
 しかし何よりも着目したいのはスープの色である。他の家系店に比し茶色が濃い。そして油も薄めである。
 家系店と言えば白っぽいスープに鶏油(ちーゆ)だ。ちょっと黄色っぽい油がかかっている店もある。しかし当店は違う。醤油が強いのだ。

 スープを口に含むと丁寧で豊かな味わいである。荒々しさはないが、作り手のしっかりした思いが伝わる確かな味なのだ。

 麺は酒井製麺所の特注麵。ストレートの太麺だ。
 コシがありスープが絡む。

 出色なのはこのチャーシュー。
 上質なモモ肉を柔らかくじっくり仕上げた逸品である。これを食べる為だけにでも訪れる価値はあるだろうと思えるほどだ。
 うーむと唸る。うむむむとも唸る。

 当時の吉村家の味の詳細は残念ながら遥か時の彼方である。
 吉村家創業者は鶏ガラに豚骨を合わせたスープを独自開発したと言われている。1974年のことだ。東京ラーメンは鶏ガラ、九州ラーメンは豚骨オンリーという時代に、それはきっと革命的なことだったのだろう。
 それから40年以上の時は流れ、様々な味のラーメンが出現し、今やラーメンはクールジャパンのアイテムとして世界を展望している。
 その歳月に思いを馳せ、吉村家直系店で食すのは特別な感慨がある。きっとこの店の味は、過去をしっかりと踏襲し、更に未来に続く味なのだろう。

 くわしね度:9.2点

住所:横浜市神奈川区六角橋1-14-7
経路:東横線白楽駅徒歩10分
営業時間:11:00~21:00
定休日:日曜日
席数:18

過去記事はこちら→http://blogs.yahoo.co.jp/kuwasinekai2016
くわしね会発足の経緯→http://blogs.yahoo.co.jp/kuwasinekai2016/57256319.html
 






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